解雇とは、雇われている側が継続して働く意思があるにもかかわらず、雇用主によって一方的に雇用契約を解消されることを解雇と呼びます。
自ら職を辞した場合には解雇には当たらず、自主退職です。
自主退職以外の場合には従業員と雇用主が合意の上で雇用契約を解消する退職方法を合意退職と呼んでいます。
雇用契約を解消されるケース
では、雇用契約を解消される場合にはどのような種類があるかと言うと、会社の規定違反や法を犯して解雇される場合の「懲戒解職」と会社の経営難などを理由に人事整理などで解雇される場合の「整理解雇」、そして懲戒解職と整理解雇以外の解雇を表題の「普通解雇」と呼んでいるのです。
コロナ禍で経済が急速的に悪化し、経営不振による解雇が現在の日本で増えています。
それと同時に、退職や解雇による雇用主と従業員間の問題が多く発生しています。
また、会社の経営難でリストラを言い渡された場合は通常「会社都合」の退職となりますが、雇用主から「自己都合」としての退職を迫られ、退職後の失業保険受給で不利になることも問題になっています。
納得ができない解雇理由や退職理由には絶対に応じてはいけない
納得ができない解雇理由や退職理由には絶対に応じてはいけません。
というのも、損をするのは雇用主ではなく、それまで雇われていた従業員側だからです。
仕事を辞めると、雇用保険に加入していた場合は、退職後に会社から離職票が届きます。
届く日数は会社や市町村によってバラつきがありますが、早い場合は一週間程度、遅い場合は退職から一か月後に届くようです。
その際に離職票には、会社都合なのか自己都合なのかを表す欄がありますが、自己都合の退職の場合、失業保険を受給するまでに多くの日数が掛かってしまうのです。
実は筆者も今年になって、会社を辞めました。
その理由は明らかに自分が納得のいく「自己都合」だったのですが、自己都合は給付に制限が掛かります。
コロナ禍で現在失業手当を受給しようとしている方へ
自己都合の場合は、離職票到着後にハローワークで失業保険受給の手続きを行ってから7日間の待機期間があり、さらにその後3カ月または2カ月間の受給制限期間があり、その間は失業手当が受けられません。
コロナ禍になり、現在失業手当を受給しようとしている方の多くは2カ月の制限期間に該当すると思いますが、実際には待機期間や、認定日を経てからの受給となるために、口座に振り込まれて実際に手当を支給されるまでには4カ月は掛かると考えたほうがいいでしょう。
なぜ4カ月かというと、失業手当の手続きは離職票が届いてからしか行えないため、届くまでに一か月ほどかかれば、制限期間にプラス一カ月、そして手続き後にも待機期間や振り込まれるまでに間が空くために更にプラス一カ月は掛かると見積もったほうがいいからです。
会社都合の場合は7日の待機期間を経ればすぐに失業手当が受給される
ここまでは自己都合で退職した場合の失業手当についてでしたが、会社都合の場合は離職票が到着して手続きを開始してから、7日の待機期間を経ればすぐに失業手当が受給されます。
すぐにと言っても手続きや認定日を経てから数日は掛かりますが、それでも自己都合の四カ月の待っている時間に比べると、非常に早く受給を受けられると考えて問題ないでしょう。
自己都合と会社都合ではこのように大幅な待機期間の違いがありますが、実は給付日数についても大幅な差があるのです。
また給付金だけではなく福利厚生面についても差があります。
自己都合であれば国民健康保険は免除できませんが、会社都合の場合は最大で2年間の軽減措置が受けられる可能性があるのです。
退職や解雇をされる前に自分で調べておくこと
ちなみに年金はというと、世帯収入に応じて免除手続きが出来る場合と出来ない場合がありますが、年金を除いても会社都合で退職した場合に優遇されるのは明らかです。
そしてこれらのことは、辞める前に親切に会社は教えてくれません。
退職や解雇をされる前に自分で調べておかなければ身につけられない知識です。
ですが、本当は会社から言い渡されて辞めるのに自己都合にさせられたという、納得のいかない退職や解雇の場合は、弁護士に相談することで、職を辞した後にも会社都合の退職へ変更できる場合があるようです。
また、これはあまり知られていないことですが、自ら職を辞した場合でも月に45時間以上の残業が3カ月以上続けば、会社都合へと変更できるのです。
まとめ
このように解雇や退職の理由によって、失業保険や健康保険で大きく差が出ます。
会社を辞めるというとどうしてもマイナスのイメージになりがちですが、辞める前に自分で必要な情報を収集して、損のない手続きをおこないましょう。