認知症は老いに伴って起こる病気の一つで、脳の機能が低下することにより生活に支障が出てしまう状態のことをいいます。
日本では超高齢化社会を迎え、認知症の患者も増えています。
そんな認知症になってしまった時には、自宅で生活を送るのが難しくなることも多いです。
家族と一緒に住んでいる場合でも、家族の方が対応に困ってしまうこともあります。
そんな認知症になった人が、安心して暮らせる施設にあん福祉会などのグループホームがあります。
グループホームは認知症を患う高齢者を対象とした介護施設で、専門スタッフの支援の元で集団で暮らします。
認知症の高齢者以外にも知的障害者や精神障碍者なども対象となっています。
少人数の介護施設で、1ユニットは5人から9人
少人数の介護施設で、1ユニットは5人から9人です。
1つのグループホームに2ユニットまでと決まっているので、最大でも入所できる人数は18人に限られます。
少人数制となっているのには理由があり、認知症の人には生活環境が大きく変化することが苦手だからです。
新しいことを覚えるのが難しい面があります。
そのため生活に大きな変化があると混乱してしまったり、不安な気持ちになってしまうことが多いのです。
それが原因で入居者同士のトラブルを招く恐れもありますし、症状が悪化してしまうことも考えられます。
そういったことから少人数制となっているのです。
よく知っている人が周りにいることで、穏やかに生活を送ることができます。
家庭的で落ち着いた雰囲気は、認知症の人も安心感を感じます。
それに対して規模の大きな介護施設だと、入居者の出入りが多く落ち着かないうことも多くあります。
グループホームの入所条件
グループホームに入所するには、一定の条件をクリアしていることが求められます。
まず、医師から認知症であると診断されていることです。
入所の際には、診断書を提出する必要があります。
それから65歳以上の高齢者で、要支援2か要介護1から5の認定を受けていることも入所の条件になります。
また、その施設がある自治体に住民票があることも条件の1つです。
グループホームのメリット
グループホームにはメリットとデメリットがあり、入所を検討する際にはそれぞれ比較して選ぶ必要があります。
まず、少人数の施設なので、アットホームな雰囲気が感じられるのがメリットです。
他の入居者やスタッフと顔なじみになるので、親しく交流することができます。
認知症患者に起こりやすい混乱を防ぐ効果もあります。
入居者同士でもコミュニケーションを取りやすいですし、まるで我が家のような家庭的な雰囲気の中で過ごせるのも特徴です。
入れ替わりが少ないので、新しく入った人の名前が覚えられないといったことも少なくなります。
ただし、少人数ゆえのデメリットもあり、何かトラブルがあった際などに気まずくなってしまうこともあります。
他の入居者との相性などもあるので、トラブルが発生した時に修復しづらい場合もあるようです。
また、認知症に詳しいスタッフのサポートが受けられるのも大きなメリットになります。
認知症患者に対応している介護施設なので、スタッフは認知症について詳しく学んでいます。
認知症を悪化させないようなリハビリやレクリエーションを行っている施設も多く、症状が改善することもあります。
認知症の予防には、手先を動かすことや音楽療法、園芸療法などがいいといわれています。
そのためそういった取り組みを行っている施設も多いです。
また、掃除をしたり、料理をつくるなど日常生活をスタッフのサポートを受けながら行うこともあります。
スタッフの適切なサポートがあれば日常生活で行えることも多く、自立した生活を送ることも不可能ではありません。
料理をするための買い出しなども入居者がスタッフと一緒に行うこともあります。
入所したことで生活の質が高まったと感じている人も多いです。
グループホームのデメリット
デメリットとしては、医療ケアが充実していないことが挙げられます。
看護師は在籍していないので、医療ケアが必要になった場合には施設を出なければいけないこともあります。
高齢になると医療ケアが必要になることも多く、そういった時にどうするかが課題となります。
入所を検討する際に気を付けたいことには、元々の定員人数が少ないので申し込んでもすぐに入所できるか分からないことが挙げられます。
施設によって状況は異なりますが、空きがでるまで待たなければいけないこともあるようです。
すぐに入所できるのかなどについても問い合わせておいた方がいいかもしれません。
介護施設には公的な特別養護老人ホームや民間が運営している有料老人ホームなどもあります。
費用面を比較すると、公的な特別養護老人ホームが一番安く、次いでグループホーム、有料老人ホームとなります。
まとめ
ただし、有料老人ホームは施設によって設定料金が異なるので、比較的割安な料金の施設もあれば高額な費用がかかるところもあります。
手卿されるサービスが違うので、介護の内容などもよく吟味して選ぶことが大切です。
